養育費は共同責任、
面会交流は日常へ
共同養育計画は、離婚後も両親が子どもの養育に関与するための具体的な設計図です。
「養育費」については、親の責任として、父母が分担するという前提で設計されるのが基本です。
また「面会交流」は子どもにとっての“日常”になる社会こそが、共同親権の本当の意味を支えます。
計画に盛り込んでおくとよい主な項目は、例えば次のとおりです。
養育費の分担と
支払い方法
- 子どもの生活費や教育費などの分担方法を決める。
- 金額や支払い時期を明確にする。
- 養育費は公正証書化も検討する。
子どもの
主な居住地
- 監護者の決定
- 生活拠点の決定
- 双方が関われるよう居住バランスを考慮
教育方針・重要事項
の決定方法
- 教育や医療など、子どもに関する重要事項を明確にする。
- 両親がどのように協議・決定するかを取り決める。
- 意見が分かれた場合の対応方法を定める。
面会交流の
スケジュール
- 面会交流は、定期的で安定した実施を心がける。
- 日時や場所を明確に決めておく。
- 学校行事や休日の予定も計画に含める。
紛争解決
への備え
- 家庭裁判所の調停や弁護士の仲介などを検討する。
- 問題解決の方法をあらかじめ定めておく。
共同養育計画は、各家庭の状況やライフスタイルに合わせて柔軟に作成することができます。
面会交流については、養育パターン別に運用することが大切です。
ここでは代表的な例としていくつかの雛形をご紹介します。
面会交流 CASE 01
同居型共同養育
(例:週交代制、曜日シェア)
両親がそれぞれ交代で子どもと一緒に生活をするスタイルです。
- 週交代制:毎週決まった曜日に交代で子どもが両親の家を行き来します。
- 曜日シェア制:週の前半は父親宅、後半は母親宅など曜日を固定して分担します。
【雛形例】
- 子どもは奇数週を父親宅、偶数週を母親宅で過ごす。
- 毎週月曜~水曜は父親宅、木曜~日曜は母親宅で過ごし、週末は隔週交代。
- 長期休暇や特別なイベントの際は、事前協議の上で決定。
面会交流 CASE 02
主たる監護者+サポート型
(居住分担型)
子どもが主に片方の親の元で生活し、もう片方の親が定期的に面会や宿泊を行い養育をサポートする形です。
【雛形例】- 主たる監護者を母親とし、父親は毎週末の宿泊と、平日週1回の夕食を共にする。
- 子どもが学校行事に参加する場合は、父親も積極的に出席。
- 緊急時や子どもの病気の際は、両親が協力し対応する。
面会交流 CASE 03
遠距離型
- 両親が離れた地域に居住している場合、定期的な長期休暇を利用した滞在型交流を計画します。
- 定期的なオンライン通話やビデオ通話を取り入れ、子どもとの継続的な関係構築を図ります。
- 重要な教育方針や医療に関する決定は、オンライン会議などを活用して協議を進めます。
【雛形例】
- 子どもは夏休み・冬休み・春休みの長期休暇を父親宅で過ごす。
- 月2回オンライン通話による面会交流を行う。
- 学校行事や進路に関する協議は定期的にオンライン会議で行う。
保護命令とDVの留意点
—親子の絆を守るために
DV・虐待が疑われる場合や保護命令が関係する場合は、安全確保を最優先に、面会交流や連絡方法を慎重に設計する必要があります。保護命令は、被害者の申立てにより裁判所が接近禁止等を命ずる制度であり、事案に応じて手続や判断が行われます。DV被害は性別を問わず起こり得るため、当事者双方の安全確保と支援につながる相談先の確保が重要です。
DV・虐待事案
への対応
- 専門家(弁護士・カウンセラー・支援団体)と連携し、客観的な事実確認と安全確保を最優先に対応します。
- 必要に応じて第三者立ち会いのもとでの面会交流を設定し、安全性を高める措置をとります。
- 保護命令に対して不服がある場合、適切な証拠を揃え法的な手続きを行います。
その他の特殊
ケースへの対応
- 監護が困難な状況にある場合(病気・障害など)は、祖父母や親族、専門家の支援を取り入れた養育計画を作成します。
- 両親間のコミュニケーションが極めて難しい場合には、中立的な第三者を介した意思疎通を図り、子どもが対立に巻き込まれない環境づくりを徹底します。
育児協力が難しい
ケースへの配慮型
DV・虐待・著しい対立がある場合など、特別な配慮が必要なケースでは安全と子どもの心の安定を最優先します。
【雛形例】- 面会交流は第三者が立ち会う施設で月1回実施。
- 両親間の直接連絡を避け、専門家や仲介人を通じてコミュニケーションを図る。
- 子どもの心理状況に応じて専門家(カウンセラー)との連携を図る。
共同養育計画の
ポイントとひな形例
あらかじめ養育計画を立てておくことは、将来の不安や行き違いを減らすうえで有用です。
一つひとつの取り決めは細かく感じられるかもしれませんが、子どもを最優先に考えた計画は、環境の変化を迎える子どもに安心を与える大切な支えとなります。
下記のページでは、養育計画をより具体的に検討するためのポイントや、実際に計画書を作成する際に参考となるひな形を紹介しています。
計画の見直し・変更申請ガイド
養育計画は子どもの成長や家庭の状況変化に応じて柔軟に見直し・変更することが大切です。
- 見直し時期を年1回程度設け、子どもの意見も反映しながら調整。
- 計画変更時は必ず書面で双方の合意内容を明記し保管。
- 合意が難しい場合には家庭裁判所の調停・審判など、第三者を交えて解決を図る。