共同養育計画で押さえておきたい
主要ポイント
共同養育計画を策定・運用する中で、お子さまの成長に合わせて様々な調整事項が生じます。その都度、計画の変更や重要事項についてもう一方の親との協議・合意が必要になる場面がありますが、円滑な共同養育計画の策定・運用のためには事前に要点を理解しておくことが重要です。
ここでは共同養育計画の要点を紹介します。
※◎は特に重要な項目です。
養育費について
- 養育費は双方の収入や子どもの年齢・生活状況に合わせて算定する。
- 特別費(臨時的な費用)は「事前承認→領収書→月末精算」での精算を規定する。
- 養育費の合意は、公正証書(強制執行に備えた記載)として残すことも検討する。支払いは、可能であれば自動振込・口座振替等を活用する。
- 大きな進学イベント(高校・大学)ごとに再協議する条項を設ける。
- 高校以降は教育費の比重が増えるため、学費や塾費用を分けて扱う。
- 必要に応じて、教育費等の特別費を中心に支出の共有方法(領収書・一覧等)を定める。
面会交流について
- 子どもの主たる生活拠点を定め、もう一方の親とは面会や短期滞在等で関わる。
- 平日と週末、短時間と長時間、オンライン通話などを状況に合わせて活用する。
- 面会の日時変更が必要なときの変更・調整のルールを明確化する。
- 遠方の場合はオンライン交流や長期休暇を利用する。渡航費の負担方法を合意する。
- 習い事などで長期にわたる日程調整を要する場合、シーズン前に予定を決める。
- 長距離移転や海外渡航時の対応方法を合意する。
- 子どもの衣服・学用品・日用品は両家庭に常備し定期的にサイズ更新等する。
- 持参品はチェックリストを使用して引き渡し確認を行う。
- 子どもが面会を拒否する場合は専門家への相談を検討する。
生活について
- 日常の食事、睡眠、学習などの習慣について両家庭で同基準とする。
- 祖父母や親族、友人など第三者関与の際のルールを定める。
- アレルギー・服薬、発熱時の基準と学校連絡などの対応方法を明確化する。
- 救急時や災害時などの緊急時の基準や引き取りなどの対応方法を定める。
- 日常の教育方針、学校選択、進路、使用言語、宗教教育については合意し学期ごとに振り返る。
- 学校行事、文化的行事、宗教的行事は、優先順位を合意して年次カレンダーで配分。
- 端末利用時間、フィルタリング、SNS利用(情報公開範囲)について両家庭で同基準のルールを定める。
- 来客・宿泊(新パートナー・友人・親族)の可否、時間帯、事前通知のルールを明確化。
- 子どものペットの飼育に関する費用分担、臨時の飼育の委託について決めておく。
連絡方法・情報共有について
- 連絡手段と連絡可能な時間帯を、平日、休日、緊急時別に決めておく。
- 成長に関する情報(健診、成績、行事など)は、定期的な共有日(例:月に1回)を決めて共有する。
- 定期的な通院や持病については、定期的な共有日に「治療経過」「服薬状況」「今後の予定」を共有する。
- 突発的なケガや病気、通院記録などは都度速やかに共有する。
- 学校との情報共有が必要な場合、協力・連携できる体制を整える。
- 「事実」「要望」「期限」の3要素を含んだ連絡を原則とすることに合意する。
- 双方の連絡を調停人やコーディネーターと共有するなど、第三者の目を入れることを検討する。
- 改ざん防止機能のある共同養育アプリやPDF文書の利用を検討する。例「離婚後の子育てアプリ」https://raeru.jp/
- 互いにもう一方の親について子どもに悪く言わないルールに合意する。
- 子どもと共有する情報について合意する。
共同養育計画の見直し
- 遠方への移転、収入変動、転職、再婚などの際は速やかに協議する。
- 学校、習い事、健康に関する対応の検討のため定期的な協議(例:6か月ごと)を実施する。
状況に応じた項目
DVや虐待がある場合
- 監督(第三者立会い)付き面会から開始する。
- 公共施設・支援センターを引渡し場所とし、親同士が直接接触しない。
- 面会時間は短時間→段階的延長のステップアップ方式とする。
- 連絡は記録が残る手段に限定することを検討する(弁護士・支援機関経由等)。
- 緊急連絡以外は間接経路(弁護士・第三者)経由とする。緊急時は警察・支援センターへ即連絡することに合意する。
- 違反や安全上の懸念が生じた場合は、面会方法を見直し、必要に応じて家庭裁判所の手続(調停・審判等)や支援機関の利用を検討する。
ステップファミリーの場合
- 法的効果や実親との関係変化が大きいため養子縁組の検討は慎重に。専門家に必ず相談する。
- 養育費の取決めは実親間で行うのが基本。
- 継親が養育費の支払義務を負うかは、養子縁組の有無や事情により異なるため個別に確認する。
- 継親が関与する状況が生じた場合は実親同士で事前に合意する。
- 就寝時間・宿題・端末利用など、子どもがどちらの家庭でも同じルールで生活できるようにする。
- 継親、実親で「しつけの方針」をあらかじめ合意し認識を共有する。
- 継親の子どもへの紹介は、短時間・中立の場から段階的に行う。
- 子どもと実父だけ、子どもと実母だけの時間を必ず作り子どもが安心できるようにする。
ご家庭により必要な調整事項は千差万別です。合意内容は、公正証書化や調停調書化など第三者が関与する形で残しておくと、将来の紛争予防に役立ちます。生活実態に沿った共同養育計画の作成・運用は、弁護士にご相談ください。